高齢になるにつれて病を抱える人の増える傾向がありますが、2025年に団塊世代が全員、後期高齢者になる頃に大きなピークが来るといわれています。医療機関に入院したり、介護施設に入所する高齢者が増えてしまい、収容しきれない患者などが溢れてしまうのではないかと危惧される話もささやかれています。
そこで、数年前から国や自治体が在宅医療、介護制度を導入したり、医療機関のマンパワー増強を図っています。しかしながら、専門性の高い職業の代表格である医療業務で一人前になるには年数がかかります。中でも、医師の指示の下で患者などとのコミュニケーションをとるのに最も近い関係で、幅広い働きの期待される看護師の需要が高まる一方のようです。
毎年、5万人程度の資格所有者が社会に輩出されていますが、シフト勤務を避けられない激務なので平素から退職したり転職する人が少なくありません。こうした状態の最中にコロナ禍感染問題が突然発生したわけです。感染者を受け入れた医療機関では容体が急変する可能性のある高齢者の治療に目を離せなくなりました。
治療の際、患者に接するとコロナ感染の恐れがあるので医療関係者は完全防護で接しています。しかしながら、昼夜関係なく医療機関にやってくる多くの感染者から自分も感染する恐れがあって、看護師は精神面、体力面で極限状態に近づいたまま勤務しているといわれています。このため、家庭に入っている看護師の有資格者にも協力要請が出ているほど、看護職場がひっ迫状態になっているわけです。